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オーロラが見られなくても 近藤 史恵
¥1,870
消えてしまいたいと思うとき、 どこか遠い地でひっそりと、 でも、確かに回復し、 また帰ってこられることを願う。 軽い読み心地に、深い味わいの短編集。 〈出版サイトより〉 ままならぬ人生を歩む五人が旅先でみつけるものとは? 心ときめく景色と料理に満ちた、世界を旅する物語。 それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。 壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」) 著者プロフィール 近藤 史恵 (コンドウ フミエ) (著) 1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学卒。在学中に執筆した『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2007年刊行の『サクリファイス』が絶賛を浴び、同作で08年大藪春彦賞を受賞。その他の著書に『ねむりねずみ』『天使はモップを持って』『二人道成寺』『タルト・タタンの夢』『ダークルーム』『モップの精は旅に出る』『スティグマータ』『マカロンはマカロン』『ときどき旅に出るカフェ』『インフルエンス』『震える教室』『みかんとひよどり』『歌舞伎座の怪紳士』『夜の向こうの蛹たち』など多数。 出版社:KADOKAWA ページ数:208 サイズ:四六判 発売日:2025年11月8日 ISBN:978-4-04-116320-7
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そっと呼ぶ名前 イム・キョンソン
¥1,760
原書:‘가만히 부르는 이름' 임경선 〈出版サイトより〉 あなたにとって、“そっと呼びたくなる”名前は何ですか? 2人の男性の間で揺れ動く、女性の心を赤裸々に綴った大人のための恋愛小説。 イム・キョンソンは、書くものに合わせて姿を変えていく作家だが、 愛の光と影に対する探求には、一貫した激情を抱いており、読んでいる私たちの心も一緒に揺さぶられる。 ずっと一緒にいる家族への愛も、惹かれずにはいられない恋人への愛も、 美しく複雑で、到底要約できない側面をそのまま描き出す才能に、ただただ感心してしまう。 ――チョン・セラン(小説家) 建築士として働く30代のスジンは、長年付き合っている先輩との関係に悩んでいる。そんな中、偶然出会った年下の男性から情熱的な愛を向けられ、次第に心が揺れ動いていく。3人の男女が織りなす「大人の愛」についての物語。20代、30代、そして40代の、それぞれの登場人物が示す、純粋で切ない愛に胸を締めつけられるはず。 性格も年齢も育った環境も異なる3人が、人生にどう向き合っていくかという姿も描かれ、「人を愛しながら生きていく」ということを深く考えさせられる。愛することの本質に触れる一冊。 著者プロフィール イム・キョンソン (イム キョンソン) (著) 韓国ソウルに生まれ、横浜、リスボン、サンパウロ、大阪、ニューヨーク、東京で成長、10年あまりの広告会社勤務等を経て、2005年から専業として執筆活動。著書にエッセイ『母さんと恋をする時』(2012)、『私という女性』(2013)、『態度について』(2015)、『どこまでも個人的な』(2015)、『自由であること』(2017)、『京都に行ってきました』(2017)、『私のままで生きること』(2023)、小説『ある日、彼女たちが』(2011)、『覚えていて』(2014)、『私の男性』(2016)、『そばに残るひと』(2018)、『そっと呼ぶ名前』(2020)、『ホテル物語』(2022)ほか多数。歌手でもあり作家でもあるヨジョとは『女性として生きる私たちに│ヨジョとイム・キョンソンの交換日記│』(共著:2019)も刊行(NaverAudioclipで「ヨジョとイム・キョンソンの交換日記」を配信)。邦訳に『村上春樹のせいで│どこまでも自分のスタイルで生きていくこと│』(渡辺奈緒子訳:2020)、『リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち』(熊木勉訳:2024) すんみ (スンミ) (訳) 翻訳家。早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。訳書にチョン・セラン『屋上で会いましょう』『地球でハナだけ』『八重歯が見たい』(以上、亜紀書房)、キム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』『敬愛の心』(以上、晶文社)、ウン・ソホル他『5番レーン』(鈴木出版)、キム・サングン『星をつるよる』(パイ インターナショナル)、ユン・ウンジュ他『女の子だから、男の子だからをなくす本』(エトセトラブックス)など、共訳書にイ・ミンギョン『私たちには言葉が必要だ』(タバブックス)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』『私たちが記したもの』(以上、筑摩書房)、『ホテル物語 グラフホテルと5つの出来事』(日之出出版)などがある。 出版社:マガジンハウス ページ数:200 サイズ:四六判 発売日:2025年9月25日 ISBN:978-4-8387-3350-7
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ホテル物語 グラフホテルと5つの出来事 イム・キョンソン
¥1,760
原書:‘호텔 이야기' 임경선 〈出版サイトより〉 この話は、グラフホテルが閉館する、最後の半年間に起きたことである。 日本では村上春樹研究でも知られる作家イム・キョンソンによる、ホテルを題材にした珠玉の短編集。年末の閉業を控えた名門「グラフホテル」を舞台に、5人の大人たちが、それぞれの人生の転換点・区切りを迎える出来事が描かれる。 かつての売れっ子映画監督ドゥリが、動画配信サービス向けドラマ脚本のチェックを依頼されホテルで缶詰めに。時代の流れに悩みつつも行き着いた決断とは(「一か月間のホテル暮らし」)。 相手の女性の「フランス映画みたいなことをしたい」という願いをうけ、会社を抜け出してグラフホテルで情事にふけった男だが…(「フランス小説のように」)。 グラフホテルに宿泊していた作家のトンジュが、ふとしたきっかけでドアマンの男から聞かされた純愛と逃避行の物語、その結末とは…(「夜勤」)。 ほか「ハウスキーピング」「招待されなかった人々」の5編を収録する。 著者プロフィール イム・キョンソン (イム キョンソン) (著) 韓国ソウルに生まれ、横浜、リスボン、サンパウロ、大阪、ニューヨーク、東京で成長、10年あまりの広告会社勤務等を経て、2005年から専業として執筆活動。著書にエッセイ『母さんと恋をする時』(2012)、『私という女性』(2013)、『態度について』(2015)、『どこまでも個人的な』(2015)、『自由であること』(2017)、『京都に行ってきました』(2017)、『私のままで生きること』(2023)、小説『ある日、彼女たちが』(2011)、『覚えていて』(2014)、『私の男性』(2016)、『そばに残るひと』(2018)、『そっと呼ぶ名前』(2020)、『ホテル物語』(2022)、『言い残した言葉』(2024)ほか多数。歌手でもあり作家でもあるヨジョとは『女性として生きる私たちに│ヨジョとイム・キョンソンの交換日記│』(共著:2019)も刊行(NaverAudioclipで「ヨジョとイム・キョンソンの交換日記」を配信)。邦訳に『村上春樹のせいで│どこまでも自分のスタイルで生きていくこと│』(渡辺奈緒子訳:2020)がある。独立した個としてそれぞれが誠実に、自分らしく生きることをテーマ すんみ (スンミ) (訳) 翻訳家。早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。訳書にチョン・セラン『屋上で会いましょう』『地球でハナだけ』『八重歯が見たい』(以上、亜紀書房)、キム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』『敬愛の心』(以上、晶文社)、ウン・ソホル他『5番レーン』(鈴木出版)、キム・サングン『星をつるよる』(パイ インターナショナル)、ユン・ウンジュ他『女の子だから、男の子だからをなくす本』(エトセトラブックス)など、共訳書にイ・ミンギョン『私たちには言葉が必要だ』(タバブックス)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』『私たちが記したもの』(以上、筑摩書房)などがある。 出版社:マガジンハウス ページ数:184 サイズ:四六判 発売日:2024年9月12日 ISBN:978-4-8387-3286-9
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絶縁 チョン・セラン、村田 沙耶香 他
¥2,200
チョン・セランさんの発案でできたアジア9都市9名の若手作家のアンソロジーです。 村田沙耶香さんをはじめ、各国の作家たちの「絶縁」をテーマにした作品が集まっています。 韓国版:‘절연' 〈出版サイトより〉 奇跡のアンソロジー、日韓同時刊行! 突如若者に舞い降りた「無」ブーム。世界各地に「無街」が建設され――。 (村田沙耶香「無」) 夫がさりげなく口にした同級生の名前、妻は何かを感じとった。 (アルフィアン・サアット「妻」/藤井光・訳) ポジティブシティでは、人間の感情とともに建物が色を変える。 (ハオ・ジンファン「ポジティブレンガ」/大久保洋子・訳) 先鋭化する民主化運動の傍らで生きる「あなた」たちの物語。 (ウィワット・ルートウィワットウォンサー「燃える」/福冨渉・訳) 都市に走った亀裂、浸透する秘密警察、押し黙る人びと。 (韓麗珠「秘密警察」/及川茜・訳) ブラック職場を去ることにした僕。頭を過るのは死んだ幼馴染の言葉だった。 (ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」/星泉・訳) 家族の「縁」から逃れることを望んできた母が、死を目前にして思うこと。 (グエン・ゴック・トゥ「逃避」/野平宗弘・訳) 3人の少年には卓球の練習後に集う、秘密の場所がある。 (連明偉「シェリスおばさんのアフタヌーンティー/及川茜・訳) 6人の放送作家に手を出した男への処罰は不当か否か。 (チョン・セラン「絶縁」/吉川凪・訳) 【編集担当からのおすすめ情報】 きっかけは韓国を代表する若手作家チョン・セランさんのひと言でした。 「韓中日+東南アジアの若手世代の作家7~9人で、同じタイトルのもとそれぞれ違う短編小説を書いてアンソロジーを出してみたいです。今、思い浮かんでいるタイトルは『絶縁』です」 この提案を、『コンビニ人間』が世界的ベストセラーになった村田沙耶香さんに伝えたところ「痺れるテーマですね」と快諾。その後、アジア9都市9人の作家の参加が決定しました。『折りたたみ北京』にてヒューゴ賞を受賞したハオ・ジンファンさんをはじめ、いずれも気鋭の作家です。 多くの作品が既存作品の翻訳ではなく書きおろしという前代未聞のプロジェクト、日韓同時刊行です! 出版社:小学館 ページ数:416 サイズ:四六判 発売日:2022年12月16日 ISBN:978-4-09-356745-9
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明日の恋人たち チョン・ヨンス
¥2,640
原書:‘내일의 연인들' 정영수 〈出版サイトより〉 新たな韓国文学はここから始まる 人は人を愛せるのか?――新しい韓国文学はこの問いから始まる。 韓国を代表する文学賞「第69回現代文学賞」受賞作にして、文芸誌「GOAT」掲載で話題となった「未来のかけら」も収録! 自分たちの許されぬ関係を本にしたいのだけど――「僕たち」 破局を迎えた知人夫婦、その家に住むと――「明日の恋人たち」 どうやら伯母はスイスで安楽死をするようだ――「より人間的な言葉」 親友の赤ちゃんを落としてしまった僕は――「平穏無事な現代生活」 父と母の不幸な夫婦生活の終わり――「二人の世界」 自殺しようとした母の人生はどう描かれるべきか――「未来のかけら」 韓国文学の新星チョン・ヨンス、初邦訳短編集。 6つの物語の揺らぎがあなたの心を未来へ誘う。 ここには私の隣人が描かれている――カバー裏には、金原ひとみさんの書評も掲載! 【編集担当からのおすすめ情報】 2019年「若い作家賞」、2024年「現代文学賞」受賞した若き才能チョン・ヨンス、待望の邦訳短編集です。韓国文学はここ数年、翻訳小説のなかでも大きな注目を集めてきました。しかし本作は、社会性やポップさを前面に押し出す近年のK-文学とは趣を異にします。派手な事件は起こらず、そこに書かれているのは、人と人の交わりだけ。それゆえ、かえって静謐で滋味深い文章が心を捉え、読者の心に深くしみ入り、やさしい読後感をもたらします。韓国文学の新たな地平を拓く一冊、ぜひご高覧ください。 出版社:小学館 ページ数:192 サイズ:四六判 発売日:2025年10月29日 ISBN:978-4-09-356757-2
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僕の狂ったフェミ彼女 ミン・ジヒョン
¥1,760
原書:‘나의 미친 페미니스트 여자친구’ 민지형 〈出版サイトより〉 韓国でドラマ化・映画化決定! 初恋の人がフェミニストになった!? 「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。 主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。 そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっている――。 本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。 目次 プロローグ 偶然出会った君 いっそ現れないでほしかった どうせ現れたなら メガルの道理と百万ウォン スタートはしたけれど 彼女は本当におかしい 週末のデート 家族のイベント 意外な事件 彼女の決断 僕のチャンス 計画通りに進んでる 結婚式場で 再び、光化門で エピローグ 著者あとがき 「三十代のフェミニストの恋愛はまるで『ウォーキング・デッド』だよ」 訳者あとがき 著者プロフィール ミン・ジヒョン (ミンジヒョン) (著) 著者 ミン・ジヒョン 1986年生まれ。西江(ソガン)大学校で国文学と新聞放送学、日本学を学ぶ。2008年に日本に交換留学した際には東北大学の学友会映画部 De Palmaに所属し、自主映画『あんにょん、サヨナラ』を制作した。韓国芸術総合学校の映像院映画科大学院で劇映画シナリオを専攻。2015年に『조선공무원 오희길전 (朝鮮公務員 呉(オ)希(ヒ)吉(ギル)伝)』で「大韓民国ストーリー公募大展」優秀賞を受賞し、2019年にはテレビドラマ『レバレッジ―最高の詐欺師たち―』の脚本を執筆。映画とドラマの現場で脚本家を務めながら、「韓国映画性平等センター」に所属し、性暴力予防教育講師としても活動中。2021年12月に最新長編小説『나의 완벽한 남자친구와 그의 연인(私の完璧な彼氏と彼の恋人)』が出版された。 加藤慧 (カトウケイ) (訳) 1986年生まれ。東北大学工学部卒、同大学院博士課程科目修了退学。2013年に漢陽(ハニャン)大学校大学院に交換留学し韓国建築史を学ぶ。オンラインでレッスンを行うほか、宮城学院女子大学、東北学院大学で韓国・朝鮮語の授業を担当。 出版社:イースト・プレス ページ数:336 サイズ:四六判 発売日:2022年3月17日 ISBN:978-4-7816-2063-3
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私の最高の彼氏とその彼女 ミン・ジヒョン
¥1,760
原書:‘나의 완벽한 남자친구와 그의 연인‘ 민지형 〈出版サイトより〉 『僕の狂ったフェミ彼女』著者がおくる、前人未踏の“共有”恋愛小説! 30代の女性・ミレは、彼女にとって最善の恋愛をずっと探している。 したいことを望み、嫌なことを拒みたい。 誰のものにもならず、自分のままでいたい。 結婚をゴールとしなくても、対等な関係を築きたい。 ミレのウィッシュリストはずっと満たされなかった。 ある時出会った“完璧な男性”シウォンは 「非独占恋愛(オープンリレーションシップ)」を実行していた。 ミレは戸惑いながら、最善のために一歩を踏み出す。 ◆推薦――宇垣美里(フリーアナウンサー/俳優) 最初に共感、次に反感と少しの羨望。 垣間見た新しい世界を受け入れられるのか、 受け入れられないならその理由は何か。 こびりついていた固定概念の奥にあるはずの 本当に自分の求めている恋愛の形について、 誰かと夜通し語り合いたくなった。 ◆推薦――アルテイシア(作家) 私自身はオープン・リレーションシップをするのは無理だと思うけど、主人公ミレの気持ちはよくわかる。 「君は俺のものだよ」と言われて喜べない。 誰の所有物にもなりたくない。誰にも支配されたくない。 パートナーと対等に尊重し合う関係を築きたい。 それだけのことが、なぜこんなに難しいのか? 目次 プロローグ 0.ロマンスこそ必要 1. いろいろな幻想、の中の君 2.なぜ私はあなたを共有するのか 3.大丈夫? 愛か?? 4.私が恋愛をやめられない(約)十の理由 5.優雅で計画的な共有恋愛 6.食べて、期待して、恋をして 7. あなたがデートしている間に 8.愛してるの言葉でも理解はできない 9. 君たちは感動だった 10.それは絶対私たちのせいじゃない 11. 最も普通の記念日 12. 嘘、みたいな時間 13. 一人で一緒にいる人たち 著者あとがき 著者プロフィール ミン・ジヒョン (ミンジヒョン) (著) (著)ミン・ジヒョン 小説家、ドラマ脚本家。西江大学校で国語国文学を、韓国芸術総合学校大学院で劇映画シ ナリオを学び、2015年「大韓民国ストーリー公募展」で優秀賞を受賞した。 2019年テレビドラマ『レバレッジ 最高の詐欺師たち』の脚本を執筆。 同年に発表したフェミニズム恋愛小説『僕の狂ったフェミ彼女』は2022年に邦訳され、 多くの読者の共感を得た。 その後、2022年にアンソロジー『모던 테일 (モダン・テール)』に参加し、2023年4月に は初のSF長編小説『망각하는 자에게 축복을 (忘却する者へ祝福を)』を発表。 十代の頃、ハリウッドのロマンティック・コメディ映画の大ファンだった。今は、当時憧 れを抱いていていた世界が何を意味するかを知っている。まさにそれが理由で、21世紀 の韓国を舞台にした恋愛に、依然として強い関心を持っている。 加藤慧 (カトウケイ) (訳) (訳)加藤 慧 韓国語講師・韓日翻訳者。東北大学工学部卒、同大学院博士課程科目修了退学。大学院在学中に漢陽大学大学院に交換留学し、韓国建築史を学ぶ。 現在はオンラインで韓国語レッスンを行うほか、二つの大学で韓国・朝鮮語の授業を担当中。 訳書にミン・ジヒョン『僕の狂ったフェミ彼女』(イースト・プレス)、共訳書にアントイ『なかなかな今日 ほどほどに生きても、それなりに素敵な毎日だから。』(朝日新聞出版)がある。 出版社:イースト・プレス ページ数:392 サイズ:四六判 発売日:2023年10月10日 ISBN:978-4-7816-2257-6
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工房の季節 ヨン・ソミン
¥2,420
原書:‘공방의 계절’ 연소민 〈出版サイトより〉 何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。 テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。 ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。 土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。 手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。 著者プロフィール ヨン・ソミン (ヨン・ソミン) (著) 2000年生まれ。小説家、放送作家。2022年、「怠惰なキンコ」で韓国小説新人賞を受賞し、執筆活動を開始、短編「あなただけのためのプレイリスト」を発表。2023年に出版した本作『工房の季節』は、イギリスをはじめ、アメリカ、フランス、ドイツ、デンマーク、ブラジル、エジプトなど世界29ヵ国に版権が売れている。2024年、長編小説『猫を散歩させた日』を発表。 朝田 ゆう (アサダ ユウ) (訳) 日本大学芸術学部卒。ライター、韓国語翻訳者。韓国語の訳書に『「また会いたい」と思われる人は話し方が違う』(扶桑社)、翻訳協力に『知っておきたい! 韓国ごはんの常識』(原書房)などがある。 出版社:講談社 ページ数:288 サイズ:四六変型判 発売日:2025年6月18日 ISBN:978-4-06-536749-0
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不便なコンビニ2 キム・ホヨン
¥1,980
原書:‘불편한 편의점2’ 김호연 〈出版サイトより〉 韓国発の大ベストセラー小説、待望の続編! 狭くて品揃えも悪く、近所の人から「不便なコンビニ」と呼ばれるALWAYS。深夜バイトの独孤(トッコ)が店を去ってから6つの季節が過ぎた。オーナーのヨムさんは体調を崩し、折り合いの悪い息子ミンシクに経営を、古株のソンスクに店長を任せ、ソウルを離れていた。独孤から仕事を引き継いだ元刑事のクァクも故郷に帰ることになり、ソンスクは愛想はいいが要領の悪そうな中年男性クンベを深夜バイトとして採用する。今日も悩みを抱えた人たちが、ALWAYSを訪れる。一方、クンベにはある秘密があった……。 2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位。韓国でシリーズ累計150万部超、台湾で15万部超。ソウルで上演される舞台はロングランとなり、ドラマ化も進行中の世界的ベストセラー「Kヒーリング」小説、日本に待望の続編が上陸! 【編集担当からのおすすめ情報】 韓国で社会現象を生み出し、世界的なベストセラーとなったKヒーリング小説『不便なコンビニ』。日本では2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位にランクイン、大きな反響のなか、いよいよ待望の続編を邦訳刊行します。 作中では前作の終わりから約1年半が経過し、コロナ禍のALWAYSにも変化が。続編も、さまざまな人間模様を通して、困難な時代を生きるヒントをたくさん与えてくれます。 どこか私たちに通じる悩みを抱く登場人物たちに共感し、ユーモア溢れるフレーズにニヤリとさせられ、人と人の絆にほろりとさせられ、コンビニグルメに垂涎し、ソウルをはじめ町の描写に旅情をかき立てられ……。とにかく読みどころ満載です。よりパワーアップした続編を、ぜひお楽しみください。 出版社:小学館 ページ数:354 サイズ:四六判 発売日:2025年2月27日 ISBN:978-4-09-356750-3
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涙の箱 ハン・ガン
¥1,650
原書:'눈물상자' 한강 〈出版サイトより〉 ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。 ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。 「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。 怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。 ……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は 純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、 いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」 ―本文より― 涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。 著者プロフィール ハン・ガン (ハンガン) (著) 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。1994年、ソウル新聞新春文芸に短編「赤い碇」が当選し、作家デビュー。2005年、『菜食主義者』(クオン)で李箱文学賞を、また同作で2016年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。2017年、『少年が来る』(クオン)でイタリアのマラパルテ賞、2023年、『別れを告げない』(白水社)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)、また同作で2024年、フランスのエミール・ギメ アジア文学賞を受賞。2024年、「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、ノーベル文学賞を受賞。他に『引き出しに夕方をしまっておいた』『そっと 静かに』(以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(晶文社)、『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、『回復する人間』(白水社)などが邦訳されている。 きむ ふな (キムフナ) (訳) 韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学大学院日本文学科で博士号を取得。日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わる。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。共訳書にハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(クオン)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。 出版社:評論社 ページ数:88 サイズ:四六判 発売日:2025年8月18日 ISBN:978-4-566-02489-2
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ウエハース君 イ・ユリ
¥2,090
原書:'웨하스 소년' 이유리 〈出版サイトより〉 もう、気分は最高だ! 子どもが翼をつけて生まれ(「ウエハース君」)、宝石でできた蚊が人間の血と一緒に楽しかった記憶を吸い込み(「ジュエリーモスキート」)、結婚していない私が結婚した私を訪ね(「アナザーストーリー」)、健康な異性愛者だけを選別し、それ以外にはキノコになる液体が配られる(「キノコの国で」)……。イ・ユリが描く14の世界を一つずつ通過すると、苛立ちや悩みはしばし遠くに追いやられ、私たちの手元から離れていた日常は鮮明になる。唯一無二のSFワールドに魅了される、韓国の大人気作家の傑作短編集。 目次 作家の言葉 ガーデニングの楽しみ リプレイする日 五分間 トゥデイズ・ムード ウエハース君 思い出を紡ぐ ジュエリーモスキート キノコの国で 一方、別の宇宙では 三頭猫 アナザーストーリー ハッピーペンダント フジツボ 新年の誓い 訳者あとがき 著者プロフィール イ・ユリ (イユリ) (著) 2020年、短編小説「赤い実」が「京郷新聞」新春文芸に当選し作家活動を始める。著書に小説集『ブロッコリーパンチ』(リトルモア)、『あらゆるものの世界』、連作小説『すてきな場所で会いましょう』、短編小説『寝られますか』、小説集 『シャボン玉ポン』、短編小説『ハート・セーバー』がある。 渡辺麻土香 (ワタナベマドカ) (訳) 韓日翻訳者。訳書にパク・ソリョン『コミック・ヘブンへようこそ』(晶文社)、スシンジ『ミョヌラギ』(玄光社)、キム・ヘナム『「大人」を解放する30歳からの心理学』(CEメディアハウス)、シン・ホチョル『こちら、空港医療センター:救急ドクター奮闘記』(原書房)、ハン・ミファ『韓国の「街の本屋」の生存探究』(クオン)など。 出版社:晶文社 ページ数:232 サイズ:四六判 発売日:2025年11月27日 ISBN:978-4-7949-8017-5
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ブロッコリーパンチ イ・ユリ
¥2,090
SOLD OUT
原書:'브로콜리 펀치' 이유리 〈出版サイトより〉 奇譚・推し活・ちょっとSF!? デビュー作ながら、韓国で14刷突破! 3か国語で翻訳された、話題の短篇小説集。初の邦訳! 気鋭作家イ・ユリが描く、優しさとユーモアが漂う独特世界。 ある朝、彼氏の手がブロッコリーに…! 日常にひょっこり顔をだす、不思議な出来事。 へこんでいた心をスカッと救う8つの物語。 ★人気作家たちも絶賛! ──────────────────── 「来る途中で拾っただけ」と平然と繰り出される ユーモアとウィットも一級品で、長所を挙げたらきりがない。 ──ク・ビョンモ(小説家 『破果』『破砕』) 幻想的だが現実味があり、ロマンスのようだがそうではない気もする、 数枚のカードを見せられた後、不意に裏返されると、 何だったか見失ってしまう妙な物語。 ──パク・ソルメ(小説家 『未来散歩練習』『影犬は時間の約束を破らない』) ──────────────────── 時につまづき、失い、溺れかけても…… 私たちはゆるやかに助け合って、前を向く。 「一生懸命やってもダメなことってあるよね。 生きてたら必ずある、そういうこと」(本文より) 不思議だけれど、私たちの切実さと繋がる物語。 読めばあなたも語りたくなるはず! ★各篇あらすじ ──────────────────── 「赤い実」……鉢植えから亡き父の声がする 「ぷかぷか」……アイドルを推しすぎて大ピンチ 「ブロッコリーパンチ」……ある朝、彼氏の右手がブロッコリーに 「爪の影」……真夜中に元恋人の霊が現れた 「アオサギクラブ」……絶望の淵を歩いていたらアオサギクラブに誘われて 「チーズの月とビスコッティ」……僕の相棒は石ころ 「平べったい世界」……半透明になった私と継母 「イグアナと私」……イグアナに泳ぎを教えたら ──────────────────── 著者プロフィール イ・ユリ (イ ユリ) (著) 1990年、韓国・江原道生まれ。崇実大学文芸創作学科卒。2020年、京郷新聞新春文芸に短篇「赤い実」(本書収録)が当選し、作家活動をはじめる。他の著書に、小説集『すべてのものたちの世界』、『素敵な場所で会いましょう』、『ウエハース少年』(いずれも未邦訳)など。現実のなかに、非自然的・非日常的なものがひょっこり入りこんでくる独特な世界を描き、“イ・ユリ・ユニバース”と呼ばれる。「赤い実」は韓国で映像化された。 山口 さやか (ヤマグチ サヤカ) (訳) 韓日翻訳者。三重県生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒。2022年、イ・ユリ著「赤い実」で韓国文学翻訳新人賞。翻訳した絵本に『まめさん こめさん おふろのひ!』(共訳、岩崎書店)がある。第23回三重県文化新人賞。 出版社:リトルモア ページ数:320 サイズ:四六判 発売日:2025年9月29日 ISBN:978-4-89815-611-7
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心の浮力 イ・スンウ
¥2,310
原書:'마음의 부력' 이승우 〈出版社サイトより〉 李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。 喪失と疎外、自責と愛などをテーマに、家族や介護、格差など同時代の社会問題を通して現代人の生を描く。 「言葉の届かない場所にあるはずの、人の心の複雑な薄闇に、李承雨は言葉で見事に光をあてる。精緻きわまりない八編。」――江國香織 「僕が感じてきたように、母も常に感じてきた、そうでなくてもいつか感じることになる深い後悔と罪悪感については思いが及ばなかった。喪失感と悲しみは時とともに和らぐが、後悔と罪悪感は時が経つほど濃くなることに、喪失感と悲しみはある出来事に対する自覚的な反応だが、後悔と罪悪感は自分の感情への無自覚な反応で、はるかにコントロールが難しいということに気づけなかった。」 母は僕を、もうこの世にいない兄の名前で呼ぶようになった。 夢を追い不器用に生きた兄と、堅実に歩む僕。兄弟と老いた母の愛の形を描いた李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。 <訳者あとがきより> 兄弟と母の愛について描いた表題作の「心の浮力」は2021年に李箱文学賞を受賞した。韓国近代文学を代表するモダニズム作家・李箱を記念した賞で、巻末に収録した「サイレンが鳴る時― 剝製になった天才のために」は、李箱の代表作「翼」へのオマージュになっている。その他の作品にも過去と現在、兄弟、母、居場所、電話、後悔などのモチーフが変奏曲のように現れ、互いにゆるやかにつながっている。 全編に通底するのは、近しい存在を失った時、人はいかに思い、どう生きようとするのかという切実な問いである。関係が近いほど悲しみや戸惑い以上に後悔や自責の念が付きまとい、切実に心を寄せられるのは、また別の喪失を抱えた見知らぬ誰かかもしれないのだ。 著者プロフィール 李承雨 (イ スンウ) (著) 1959 年生まれ、韓国全羅南道長興出身。1981 年、「エリュシクトーンの肖像」が「韓国文学」新人賞に選ばれデビュー。長編小説に『生の裏面』『植物たちの私生活』(ともに藤原書店)、中編小説に『真昼の視線』(岩波書店)、短編集に『香港パク』(講談社)などがある。大山文学賞、東仁文学賞、李箱文学賞など受賞多数。 平原奈央子 (ヒラバル ナオコ) (編著) 1980 年生まれ、福岡市出身。九州大学文学部史学科(朝鮮史学研究室)卒業。ソウルの梨花女子大学で語学研修、西江大学へ留学。 出版社:書肆侃侃房 ページ数:208 サイズ:四六判 発売日:2025.11.18 ISBN:9784863857049
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終わりの始まり ソ・ユミ
¥1,760
SOLD OUT
原書:'끝의 시작' 서유미 〈出版社サイトより〉 恋の記憶、家族の記憶、残酷で美しい春の記憶。 ソ・ユミは、私たち自身の傷と記憶を呼び覚まし、 時の流れとは何かを伝えようとする。 私たちはいつだって、人生の新しい章を始められるのだ。 ――櫻木みわ(小説家) 1970年代生まれの韓国女性作家、チョ・ナムジュ、ファン・ジョンウンなどと並び、 韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 <あらすじ> 末期がんで苦しむ母の看病、妻との離婚を目前にし、幼いころの父の死が亡霊のように付きまとうヨンム。夫とはすれ違い、愛を渇望するも満たされず、若い男とのひとときの恋に走るヨンムの妻・ヨジン。貧困の連鎖から逃れられず、社会に出てもバイトを転々とし、恋人との環境の違いに悩むヨンムの部下ソジョンの物語とが交錯する。 「甘ったるい春夜の空気を物悲しく」感じる人々のストーリーは不幸という共通分母の中で一つになり、三人の人物が感じる「静かにうごめく喪失感」が小説の根底に流れている。それぞれがその喪失感を乗り越え、成長していく四月の物語を、やさしい視点で描き出す。 <訳者あとがきより> 「連合ニュース」はこの小説を「成長の物語」と評し、毎日経済は「別れの傷を癒やす間、桜は散り、五月の新芽が出る。作家は『終わりはついにやってきた新しい始まり』だと淡々と証言するのだ」と解釈した。本書は別れと喪失の物語であると同時に希望の物語でもある。原書の解説で小説家イ・スンウはこう述べている。「『切られた傷の上に貼るバンドエイド』のような小説だ。(中略)本書は貧しく疎外された人々の悲惨な現実を暴露し、貧しさが世襲される資本主義社会の構造的矛盾を批判するために声を上げる代わりに、彼らが作り出すぎこちない笑顔に注目する」。誰もが経験する恋人との別れ、家族の闘病や死、そしてそれを乗り越えようと必死でほほ笑む人々の健気さに引き込まれてしまう。 著者プロフィール ソ・ユミ (ソユミ) (著) (徐柳美/서유미) 1975 年ソウル生まれ。2007 年「ファンタスティック蟻地獄」で文学手帳作家賞、同年「クールに一歩」で第1回チャンビ長編小説賞を受賞し、デビュー。都市に暮らす人々の孤独や葛藤を温かい眼差しで繊細に描く韓国を代表する女性作家。 短編集に『当分は人間』(2012)、『誰もが別れる一日』(2018)『今夜は大丈夫、明日のことはわからないが』(2022)、長編に『ファンタスティック蟻地獄』(2007)、『クールに一歩』(2007)、『あなたのモンスター』(2011)、『終わりの始まり』(2015)、『隙間』(2015)、『ホールディング、ターン』(2018)、『私たちが失ったもの』(2020)、エッセイに『ひとつの体の時間』(2020) などがある。本書が初邦訳。 金みんじょん (キムミンジョン) (訳) ソウル生まれ、東京育ち。10代で来日し、KBSラジオや京郷新聞などを通して日本のニュースを紹介し、また日本文化を韓国に伝える活動をしている。 慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。 韓国語の著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』、共著書に『小説東京』『SF金承玉』、韓国語への訳書に『那覇の市場で古本屋』(宇田智子著)、『渋谷のすみっこでベジ食堂』(小田晶房著)、『太陽と乙女』(森見登美彦著)、『縁を結うひと』『あいまい生活』『海を抱いて月に眠る』(以上3冊、深沢潮著)など。日本語への訳書は、『私は男でフェミニストです』。 出版社:書肆侃侃房 ページ数:176 サイズ:四六判 発売日:2022.10.15 ISBN:9784863855380
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わたしたちの停留所と、書き写す夜 キム・イソル
¥2,200
再入荷しました! 原書:'우리의 정류장과 필사의 밤' 김이설 〈出版サイトより〉 わたしの言葉を、 わたしはまだ取り戻せるだろうか。 40代未婚の「わたし」は、老いた父母やDVを受けて実家に戻ってきた妹親子のケア労働に果てなく追われ、詩人になる夢も「あの人」とのささやかな幸せもすべてを諦めて生きている。一日の終わりに、好きな詩を筆写することだけが自分を取り戻す時間であった「わたし」が、それすら失ってしまう前にとった選択とは――。 韓国フェミニズムのうねりのなか生まれ、いま「停留所」に佇むすべての人におくる、真に大切なものを静かに問いかける「人生小説」。 *****韓国読者から共感の声続々! ****** (オンライン書店レビューより) 「主人公の状況に息が詰まった。応援してしまう」 「誰かが私の物語を、代わりに書いてくれた気がした」 「慣れようとしても慣れることのできない家事や介護を引き受けている人なら、 思わず涙が出そうなこの物語。無限に共感できる」 「ほんの二、三時間でいいから自分として生きられる時間が欲しかったあの頃。 そんな時期に耐えている、すべての女性たちへの叫びのような物語」 「読んだあとで恋人の性別を知ってもっとせつなくなった。そのプロセスも含めてこの作品が大好き」 「主人公のすべての選択を、応援したくなる本。みんな、幸せになろう」 「家庭でも社会でもひたすら〈わたし〉でいつづけられない。 そう感じる人だけが理解できる、わからない人には絶対に共感できない物語」 「家事の責任を負いながら、誰にも言えない悩みまで抱え、 大学進学も家の事情に合わせた自分を慰めてくれる小説」 「周りや世間を喜ばせるために生きなきゃならないんじゃない、 自分がうれしいときにはじめて、自分をとりまく世界は完全なものになる。そんなことを教えてくれる」 訳者あとがき 小山内園子 誰もに、かけがえのない時間、それを失くしたら自分が自分でいられなくなるような時間は存在すると思う。 ひたすら何かに打ち込む時間、大切な相手と過ごす時間、好きなものを食べ、飲み、あじわう時間、ひとりきりになれる時間……。「夢」というには日常的すぎるが、だからといって、いつでも簡単に叶うわけではない。生きるためのさまざまなタスクの中で、唯一純粋に、自分のためのものと言える時間だ。 その対極にあるのが、どんどん個人の時間に侵食してくるケア労働だろう。やっても賞賛や報酬を得られることは少ないが、やらなければ責任を問われかねない。終わりなき日常を維持するための裏方仕事。 本書の主人公は、詩を書く時間を最もかけがえがないと思う40代の女性である。いつ詩人になれるかはわからない。でも書き続けている。書けない日は気に入った詩を書き写して、少しでもいいから理想の詩に近づこうと努力する。詩を書きたいのか、それとも「詩人」という社会的地位に憧れているのかと、ときどき自問自答したりもするが、詩に打ち込む時が最も自分らしくいられることだけは間違いない。 その彼女が、ある事件をきっかけに、自分のほぼすべての時間を家族のケア労働に捧げざるを得なくなる。心が死んでいく。そしてついに、一つの決心をする──。 本書は、2020年に韓国で刊行されたキム・イソルの中篇小説『わたしたちの停留所と、書き写す夜(우리의 정류장과 필사의 밤)』の全訳である。底本には初版を利用した。 邦訳されているキム・イソル作品は、この訳者あとがきを書いている2025年8月現在、短篇一作しかない。『韓国フェミニズム小説集 ヒョンナムオッパへ』(斎藤真理子訳、白水社、2019)という書下ろし小説集に収められた「更年」がそれである。更年期を迎えた40代の「私」は、ある日中学生の息子が、受験勉強のストレス解消のためだけに、同じ学校の女子と合意の上でセックスをしていることを知る。恋人関係ではないから愛のないセックスだが、合意があるからレイプではない。混乱した「私」は夫に相談するが、夫は息子のことを「正常な男として育ってる」と全肯定し、一方で相手の女子のことは「頭がおかしい」「体でたぶらかそうとしてる」と言い放つ。男と女で、社会が期待する役割も、親が望む子どもの理想像も違う。生殖の機能を失いつつある自分の身体と、初潮を迎えて数年であろう息子の相手の身体を重ねながら、「私」は、この社会で女性として生きる痛みを改めて感じる。 性、家族、そして暴力。作家生活の序盤、それらはキム・イソルにとって非常に重要なモチーフだった。しかし、本書の「作家のことば」にも書かれているスランプの時期をくぐりぬけて、少しずつ作風は変わりつつある。彼女自身が再起を確信した物語が本書である。 ■「居心地が悪い」小説を発表する作家 1975年に生まれたキム・イソルは、2006年にソウル新聞の新春文芸に当選して作家デビューを果たした。本書にも登場するこの「新春文芸」とは、韓国における作家の登竜門の一つだ。20歳の冬に小説家になることを決意した彼女は、それから10年間、春と秋には文芸誌の新人賞へ、年末には新春文芸へ、それぞれ作品を応募しては結果を待つ日々を過ごした。つまり、10年にわたって落選の憂き目をあじわい続けたことになる。本書の主人公の、「選ばれない人になって、負け犬になって、そのまま無用な人間になってしまったらどうしよう」(78ページ)という心情は、まさに作家本人の実体験から来ている。 作家を目指す歳月のあいだに、彼女をとりまく状況も少しずつ変わる。大学を卒業して、母親の介護を経験して、結婚をした。第一子を妊娠中、「これで最後にしよう」と心に決めて応募した作品が、ついに新春文芸に当選する。吉報が届いたのは出産から約半月後。キム・イソルは、母親としての生活と職業作家としての生活をほぼ同時に始めることになった。 新春文芸に当選したデビュー作の短篇「十三歳」は、日本なら「衝撃の話題作‼」という帯付きで刊行されそうな内容である。主人公は、母親と地下鉄駅に暮らす十三歳の少女ホームレス。十分な性の知識もないまま、少女はさまざまな男たちの有形無形の暴力にさらされ、妊娠してしまう。施設で出産するも子どもを手放した少女は、行く当てもないまま再び路上に流れ着く。残酷なストーリー、端正ながら臨場感あふれる文章は「衝撃的な状況が、むしろ強烈な逼迫ぶりを帯びている」と審査員から高い評価を受けた。 続く作品でも、キム・イソルは社会の底辺であえぐ女性たちを多く登場させている。解説で小説家のク・ビョンモが触れている作品『汚れた血(나쁜 피)』(未邦訳)は、川べりに住む古物商一家の物語だ。主人公の30代女性の周囲に配置されるのは、アルコール依存症の祖母、知的障害があって地域の男たちの性的なからかいの的にされていた母、不倫の末に家を出た従姉妹、さらに従姉妹が残していった口のきけない娘など、やはり辛酸をなめる女性たちである。彼女たちを、家父長制の権化のようなおじが牛耳っている。この作品でも、女性の身体は、社会にはびこる暴力と矛盾が再現される場所として描かれる。 キム・イソル作品には登場人物が初潮を迎える場面がよく登場するが、血は女性の運命の象徴のように読める。 そうした彼女の作品を「居心地が悪い(불편하다)」小説と呼ぶ読者も少なくなかった。確かに彼女の小説を読むと、とにかく想像を喚起される。もしかしたら自分も、地下鉄の駅で路上生活をする少女と、川べりの集落で男に殴られている女性と、すれ違っていたかもしれない。そうした存在に目を背けてきたのかもしれない、と。自身の作品への居心地の悪さを伝える読者の声について、キム・イソルは「多くの物を手に入れて美しく暮らしている人々の物語を、あえて書く理由はないと思う。問題を抱えた人物を通じて、社会に問いを投げかけたい」( 京キョンヒャン郷新聞、2010年3月21日付)と、むしろ意識的にそうした題材を選んでいることを明らかにしている。 デビュー以来ひたすら書き続け、若い作家賞、ファン・スンウォン新進文学賞を受賞。着実な歩みは、しかし2015年のあたりで失速する。そこから2、3年の間、彼女は物語を作り出せなくなってしまう。 ■「フェミニズム・リブート」から見つめ直す 理由の一つはケア労働である。デビューから10年近く経ち、いまや二人の娘の母親となった彼女は、書ける時間に、書ける分量の作品を書くしかない。作品はどうしても短篇や中篇に偏りがちになる。長篇をどれくらい書いたかが作家を評価する基準の一つとされるなか、ケア労働と執筆活動を必死で両立させてきた彼女がバーンアウトに襲われたとしても、不思議ではないだろう。 さらに、フェミニズムとのかかわりから自らの作風を真摯に問い直したことも理由だったと、彼女は本書刊行時のインタビューで語っている。 2015年、韓国ではフェミニズムの大衆化が進み、若い世代を中心に「私はフェミニスト」というアイデンティティが生まれた。文化評論家のソン・ヒジョンが「フェミニズム・リブート」と名付けたその動き、すなわち背景化されていた女性差別を問い直す空気の中で、キム・イソルも、自らの小説を点検せざるを得なくなった。 「以前は、自分の視線がすなわち世間の人の視線だと思っていたんですが、それは男性目線だったと気づきました」「『これが現実』と見せていたものは、実は女性を性的に対象化していたものでした。誰かにとって痛みになったり、傷になったりする発信なのであれば、それは、もう一度考えてみるべき部分じゃないだろうかと……」(ソウル新聞、2020年8月12日付) 自分の言葉を疑い始めて、彼女は物語を紡げなくなった。なんとか言葉を失わないよう、必死の想いで詩にすがったことは、「作家のことば」に詳しい。 ■人生の停留所を経たからこそ スランプをくぐりぬけて作家がたどり着いた場所が、本書である。 これまでの歩みと比較しながら内容を見ると、かつて重要なモチーフになっていた暴力の気配は、ずいぶんと影を潜めている。文体も、詩を書く主人公の一人称ということもあるだろうが、一文一文が短く鋭かったこれまでの作品に比べれば、実に軽やかでリズミカルだ。挿入される詩が、さらに物語に余白を与えている。著者によれば、編集者に渡した最初の原稿では、シーンや台詞、登場人物の思考や感情に合わせて、合計二十あまりを全文挿入していたのだという。物語の輪郭をくっきりさせるため、最終的には今のかたちに落ち着いたが、物語と詩を縒り合わせるような作業は、作家本人にとってもとても楽しかったようだ。 人物の造形にも広がりが生まれた。主人公の精神的な支えである恋人の性別について、キム・イソルは執筆時、女性を想定したという。翻訳にあたって訳者に唯一注文があったのもこの部分で、「主人公の恋人を、性別の確定されないかたちに訳してほしい」とのリクエストがあった。自分が描こうとするものへの誠実さに、改めて心打たれた。異性愛が前提で、女性嫌悪を内在させた社会を舞台に女性の悲哀を描いてきた作家は、自らのフェミニズムを更新したことで、より自由な、より広やかな、より明るい地平にたどりついたのだ。 考えてみれば、キム・イソルその人もまた、作家になるまでの10年間、またスランプの2、3年のあいだ、人生の停留所で時間を過ごしたのだろう。「10年」「2、3年」とさらりと書いてしまったが、渦中にいて終わりが見えない当人には、繰り返す季節がどれほど恐ろしかったかは想像に難くない。その停留所から、キム・イソルは再びバスに乗り込んだ。 2024年に発表された最新作は、長篇小説『私たちが安堵しているあいだ(우리 가 안도하는 사이)』である。49歳の女友達三人が、25年ぶりに海辺の町へ、三泊四日の旅に出る。なにげない思い出話にも、過去の悲しい行き違い、諦めた夢、消えない傷はよみがえる。大いに共感を誘い、連帯とシスターフッドに胸を熱くする物語だ。 「キム・イソル」はペンネームで、彼女の本名はキム・ジヨンである。「イソル」の筆名に漢字を当てれば「異イ ソル 説」。毎回異なる物語を描きたいという願いが込められている。何度かの停留所での時間を経て、彼女はまた、異なる物語を紡ぎ始めた。今後もキム・イソル作品を一つでも多く、日本に紹介できればと思う。 訳者とのやりとり一つ一つに、丁寧に応じてくださったキム・イソルさん、ありがとうございました。訳文をチェックしてくださった翻訳家のすんみさんにもこの場を借りてお礼申し上げます。また、エトセトラブックスのWeb連載「翻訳者たちのフェミニスト読書日記」で本書を紹介した時からこの物語に心を寄せて下さり、日本の読者へ紹介できる機会を与えてくれた編集者、松尾亜紀子さんに深く感謝いたします。 2025年8月 キム・イソル【著】 2006年『ソウル新聞』新春文芸に短篇小説「十三歳」が当選して作家活動を始める。短篇集『誰も言わないこと』『今日のように静かに』、長篇小説『汚れた血』『幻影』『線画』『私たちが安堵しているあいだ』がある。第1回ファン・スンウォン新進文学賞、第3回若い作家賞、第9回キム・ヒョン文学牌を受賞。 小山内 園子【翻訳】 NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ。訳書にク・ビョンモ『破果』『破砕』(岩波書店)、カン・ファギル『別の人』(エトセトラブックス)、『大丈夫な人』『大仏ホテルの幽霊』(白水社)、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』『失われた賃金を求めて』(すんみとの共訳、タバブックス)など、著書に『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』(NHK 出版)がある。 出版社:エトセトラブックス ページ数:136 サイズ:191mm × 131mm四六変形判 発売日:2025/10/30 ISBN:978-4-909910-31-8
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殺人者の記憶法 キム・ヨンハ
¥2,420
映画原作・第4回日本翻訳大賞受賞作ミステリー 原書:'살인자의 기억법' 김영하 〈出版サイトより〉 田舎の獣医キム・ビョンスの裏の顔は、冷徹な殺人犯だった。現在は引退して古典や経典に親しみ詩を書きながら平穏な日々を送る彼には認知症の兆候が現れ始めている。そんな時、偶然出会った男が連続殺人犯だと直感し、次の狙いが愛娘のウニだと確信したビョンスは、混濁していく記憶力と格闘しながら人生最後の殺人を企てる―-。 虚と実のあわいをさまよう記憶に翻弄される人間を見事に描き、結末に向かって読み進める読者の記憶までをも翻弄する韓国長編ミステリー小説の傑作。 【映画化情報】 ソル・ギョング、キム・ナムギル、ソリョン(AOA)出演、映画『殺人者の記憶法』 目次 殺人者の記憶法 訳注 作家の言葉「これは私の小説だ」 訳者あとがき 前書きなど 記憶によって私は生まれ 記憶によって私は消される 人間存在の危うさとアイロニーを描いた傑作 著者プロフィール キム・ヨンハ (キム ヨンハ) (著) 1968年生まれ。延世大学経営学科修士課程修了。 1995年、季刊誌『レビュー』に「鏡についての瞑想」を発表し、作家としての活動を始めた。 長篇小説『お前の声が聞こえて』『クイズショー』『光の帝国』『黒い花』『阿娘はなぜ』『私は私を破壊する権利がある』、短編集『何があったのかは、誰も』『兄さんが帰って来た』『エレベーターに挟まったあの男はどうなった』『呼び出し』、エッセイ集三部作『見る』『語る』『読む』があり、スコット・フィッツジェラルドの『偉大なるギャツビー』の翻訳もある。 文学トンネ作家賞、黄順元文学賞、東仁文学賞、万海文学賞、現代文学賞、李箱文学賞、金裕貞文学賞など、主要な文学賞はすべて受賞しており、作品は現在、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコなどで盛んに翻訳、出版されている。 日本ではこれまでに『阿娘はなぜ』(白帝社、2008)、『光の帝国』(二見書房、2008)が刊行されている。 吉川 凪 (ヨシカワ ナギ) (訳) 大阪生まれ。新聞社勤務の後、韓国に留学。仁荷大学博士課程修了。文学博士。 著書に『朝鮮最初のモダニスト鄭芝溶』、『京城のダダ、東京のダダ』、訳書としてカン・ヨンスク『リナ』、『申庚林詩選集 ラクダに乗って』、パク・ソンウォン『都市は何によってできているのか』、谷川俊太郎・申庚林『酔うために飲むのではないからマッコリはゆっくり味わう』、チョン・セラン『アンダー、サンダー、テンダー』、朴景利『完全版 土地』1巻、3巻などがある。 出版社:クオン ページ数:168 サイズ:四六判変形並製 発売日:2017.10.30 ISBN:9784904855645
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ワンダーボーイ キム・ヨンス
¥2,750
原書:'원더보이' 김연수 〈出版サイトより〉 軍事政権下の1980年代の韓国社会を主人公15歳の少年を通して、寓話のように戯画化した作品である。 本作に度々登場するおびただしい宇宙的な数字は、数の世界を情緒的なレベルへと導く。「僕」は量子論の世界を知り「他の宇宙」の可能性を信じる。「3000億分の1」という地球の孤独と「1065億分の1」という「僕」の孤独。その宇宙的な孤独に出会うのと孤独を宇宙化することの間で、「僕」は成長していき、読者は宇宙的な労わりと癒しの瞬間と対面することができる。その労わりは「1065億個の中の一つというのは、ないのに等しいことではなく、とても特別なことを意味する」ということ、「私たちの夜が暗い理由は、私たちの宇宙がまだ若くて成長しているから」と。 版元から一言 前作『世界の果て、彼女』の翻訳出版から一年、キム・ヨンスの邦訳最新作! 装丁はいつもと同じく寄藤文平×鈴木千佳子のコンビ。 著者プロフィール キム・ヨンス (キム ヨンス) (著) 1970年、慶尚北道生まれ。成均館大学英文科卒。93年、「文学世界」で詩人としてデビュー。翌年に長編小説「仮面を指して歩く」を発表し、高く評価されて以来、『グッバイ、李箱』で東西文学賞(2001年)、『僕がまだ子どもの頃』で東仁文学賞(2003年)、『私は幽霊作家です』で大山文学賞(2005年)、短編小説「月に行ったコメディアン」で黄順元文学賞(2007年)を受賞し、新時代の作家として注目されてきた。2009年「散歩する人々の五つの楽しみ」で韓国で最も権威ある李箱文学賞を受賞。韓国文学を牽引すると同時に、若者たちを中心に熱烈な支持を得る人気作家である。小説のほかエッセイ『青春の文章』『旅行する権利』『私たちが一緒に過ごした瞬間』など、作家・キム・ジュンヒョクとの共著『いつかそのうちハッピーエンド』なども、多くの読者を獲得している。 きむ ふな(翻訳) 韓国生まれ。 韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学日本文学科で博士号を取得。現在は日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わっている。 翻訳書に、津島佑子・申京淑の往復書簡『山のある家、井戸のある家』(集英社)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)、 李垠『 美術館の鼠』(講談社)、『いまは静かな時‐韓国現代文学選集』(共訳、トランスビュー)など。韓国語訳書に津島佑子『笑いオオカミ』(第1回板雨翻訳賞)など、著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。 出版社:クオン ページ数:364 サイズ:四六判並製 発売日:2016.5.31 ISBN:9784904855386
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野良猫姫 ファン・インスク
¥2,750
※傷がつきやすい装丁です。画像をご確認の上ご注文くださいませ。 原書:’도둑괭이 공주' 황인숙 〈出版サイトより〉 ソウルのさびれた町で一人暮らしをする20歳のファヨルは、コンビニでバイトをしながら、野良猫と、猫を通して知り合った人たちに支えられて生きている。父は彼女が五歳の時に失踪、数年後には母も単身、渡米してしまった。寄る辺ない身となったファヨルを気遣い、世話する親戚もいるけれど、ファヨルは過去から離れられない。高校を中退したファヨルには、大学へ行くよりも、やりたいことがあった……。 版元から一言 韓国詩壇で異彩をはなってきた詩人ファン・インスクによる、初めての小説『野良猫姫』です。インターネットで連載された後に出版され、韓国では多くの読者を獲得しました。かろやかで平易な文章で描かれる、さまざまな年代の人たちの暮らしには、人生の喜怒哀楽が詰まっています。主人公のファヨルをはじめ、登場する人たちは自分らしく生きたいという渇望をエネルギーとして、互いを思いやりながら道を拓いていきます。 また、クラウドファンディングで多くの読者からの支援を受けて、発売前より話題になった翻訳化された本です。 著者プロフィール ファン・インスク(黄仁淑) (ファン インスク) (著) 1958年、ソウル生まれ。ソウル芸術大学文芸創作科卒。 1984年京郷新聞新春文芸に詩「私は猫に生まれたい」が当選し、詩壇デビュー。詩集に『鳥は空を自由に放ちて』(1988)、『悲しみが私を目覚めさせる』(1990)、『私の沈鬱な、大切な人よ』(1998)、『自明の散策』(2003)、『リスボン行き夜行列車』(2007)など、散文集に『私は孤独』(1997)、『声の模様』(2006)などがある。1999年に東西文学賞、2004年に金洙暎文学賞を受賞。抑圧されることのない自由な魂や、現実との不和からくる幻滅を猫というモチーフを通して描いた作品が多く、猫詩人として知られる。実体験をもとにした『野良猫姫』は初の小説。 生田 美保(翻訳) 1977年、栃木県生まれ。東京女子大学現代文化学部、韓国放送通信大学国語国文科卒。韓国ソウルの法律事務所で勤務するかたわら文芸翻訳にたずさわる。訳書に、キム・ヘジン『中央駅』(彩流社)、イ・ミョンエ『いろのかけらのしま』(ポプラ社)、ダンシングスネイル『怠けてるのではなく、充電中です。』(CCCメディアハウス)などがある。 出版社:クオン ページ数:380 サイズ:四六判並製 発売日:2014.9.30 ISBN:9784904855256
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私の彼女と女友達 チョ・ウリ
¥1,980
原書:’내 여자친구와 여자 친구들‘ 조우리 出版社:書肆侃侃房 ページ数:216 サイズ:四六判並製 発売日:2023.4.28 ISBN:9784863855700 〈出版社サイトより〉 どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 なんでもない場所で静かに働きながら、何かが変わる予感をキャッチするクィアたち。どこかバランスが崩れた場所で、不穏な気配を感じ取りながら生きる女性たち。 チョ・ウリは、不安定な世界に身を委ねざるを得ない人びとの動揺を丁寧に描き出す。本当は誰もが揺れている、その不可視化された振動が、いま、見える。 ――高島鈴(ライター、アナーカ・フェミニスト/『布団の中から蜂起せよ』著者) チョ・ウリの小説を読むとき、呼吸が軽くなる。心温まる話のときも非情な話のときも、風通しがちょうどいいから絶望に息切れすることがない。枕元に置いておきたい多孔質の物語。じっと耳を当てていると、以前は聞こえなかった声が聞こえてきて、見過ごしていた瞬間を振り返っている自分がいる。すらすら読めるのに、手を止めて考えさせる。なんて貴重な小説だろう。八篇の作品はどれも、人生の鮮やかなシーンを捉えることにとどまらず、追いついてこない世界に負けてなるものかという意志にあふれている。その力強さにこそ未来がある。 ――チョン・セラン(小説家/『フィフティ・ピープル』著者) <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 試し読みはこちら https://note.com/kankanbou_e/n/n532f0c81cb8e 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達(試し読み) ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき <著者あとがきより> 私を苦しめ、私が苦しめた、それでもやっぱり私を笑顔にし、喜ばせてくれた、小説のなかのすべての女性たちへ。私の立つ場所に共に立っていた彼女たちへ。私の彼女と女友達へ。 それぞれが望んだとおりに幸せであってほしい、心からそう願っていると伝えたい。 【著者プロフィール】 チョ・ウリ(趙羽利/조우리) 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 【訳者プロフィール】 カン・バンファ (姜芳華) 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、ピョン・ヘヨン『ホール』、チョン・ミジン『みんな知ってる、みんな知らない』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』、チョン・ソンラン『千個の青』、ルリ『長い長い夜』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。 Woman's Best 16 韓国女性文学シリーズ13 「私の彼女と女友達」 내 여자친구와 여자 친구들 チョ・ウリ 著 カン・バンファ 訳 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 クォン・ソヨン「ghost」
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まぶしい便り ペク・スリン
¥2,200
原書:‘눈부신 안부’ 백수린 出版社:書肆侃侃房 ページ数:280 サイズ:四六判 発売日:2025.7.15 ISBN:9784863856837 〈出版社サイトより〉 試し読みはこちら https://note.com/kankanbou_e/n/na07928445e3a 悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように 長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶 「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している。」――島本理生(小説家) 「孤独はそのほかの透明な感情とどれだけ似ているのか、または似ていないのか、噓と物語がどこで絡み合い、また解きほぐれていくのか。美しくも強烈な発信である本書が、着信と返信によって次なる物語を生むことだろう。」――チョン・セラン(小説家) 美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作 派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。 大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。 <訳者あとがきより> 本作に使われている最大のモチーフに、「派独看護師(訳文ではドイツ派遣看護師)がある。韓国は一九六〇年代の失業問題と外貨不足を解決するため、海外への人材輸出を決めた。その一環として西ドイツに派遣されたのが、一万人を超える看護師と准看護師である。(略)作中で、大人になった主人公は一見、「いま」から逃げるように派遣看護師の資料探しに没頭する。しかし子ども時代にドイツでその姿を目の当たりにしていた主人公には、彼女らにあてはまる言葉が「愛国」「犠牲」「哀れな先人」などとはとうてい思えない。そこにあったのはだれかの視点でひとくくりに俯瞰できるような人生ではなく、一人ひとりがまぶしいほどに美しく生き抜いている姿にほかならなかった。そしてそこには、著者の、そうであったはずだという思い、そうであってほしいという祈りがある。 【著者プロフィール】 ペク・スリン(白秀麟/백수린) 短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年若い作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『惨憺たる光』『夏のヴィラ』(書肆侃侃房刊)『フォーリング・イン・ポール』、掌編小説『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』『とても久しぶりに幸せだという感じ』、近刊に『春の夜のすべて』などがある。 【訳者プロフィール】 カン・バンファ (姜芳華/강방화) 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院アトリエなどで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。和訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』など。児童書の韓訳も手掛ける。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』(共著)。 Woman's Best 18 韓国女性文学シリーズ15 「まぶしい便り」눈부신 안부 ペク・スリン 著 カン・バンファ 訳 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 紙野夏紀
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ソヨンドン物語 チョ・ナムジュ
¥1,870
原書:'서영동 이야기' 조남주 出版社:筑摩書房 ページ数:224 サイズ:四六判 発売日:2024.7.11 ISBN:9784480832214 日韓累計165万部突破の『82年生まれ、キム・ジヨン』著者、チョ・ナムジュが問いかける! 弱肉強食社会で人間らしさを失わずに生きるには? 資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。 持たざる者の苦労と、未来への希望。 韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。 舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。 「私が伝えたかったのは、 個人ではどうすることもできない時代と社会の不幸を前に、 我々はどんな選択をできるのか、 どんな態度をとるべきかという悩み、 さらには人間らしさを失わずに生きる方法に対する問いかけでした」 (「日本の読者のみなさんへ」より抜粋) 目次 春の日パパ(若葉メンバー) 警告マン シェリーのママ、ウンジュ ドキュメンタリー番組の監督、アン・ボミ 百雲(ペグン)学院連合会の会長、ギョンファ 教養あるソウル市民、ヒジン 不思議の国のエリー 作家の言葉 日本の読者の皆さんへ 訳者あとがき 著者プロフィール チョ・ナムジュ (チョ ナムジュ) (本文) チョ・ナムジュ:1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科卒業。放送作家として社会派番組のトップ「PD手帳」や「生放送・今日の朝」などで時事・教養プログラムを10年間担当。2011年、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』は大ベストセラー。第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。『彼女の名前は』『サハマンション』『私たちが記したもの』など。 古川 綾子 (フルカワ アヤコ) (翻訳) 古川 綾子(ふるかわ・あやこ):翻訳家。延世大学教育大学院韓国語教育科修了。神田外語大学講師。NHKラジオ ステップアップハングル講座 2021年7-9月期「K文学の散歩道」講師を務める。主な訳書に『そっと 静かに』(ハン・ガン、クオン)、『走れ、オヤジ殿』(キム・エラン、晶文社)、『最善の人生』(イム・ソルア、光文社)、『明るい夜』(チェ・ウニョン、亜紀書房)、『君という生活』(キム・ヘジン、筑摩書房)、『エディ、あるいはアシュリー』(キム・ソンジュン、亜紀書房)などがある。
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サハマンション チョ・ナムジュ
¥1,650
原書:'사하맨션' 조남주 出版社:筑摩書房 ページ数:288 サイズ:四六判 発売日:2021.6.23 ISBN:9784480832177 韓国語版136万部、日本版22万部突破のベストセラー、 『82年生まれ、キム・ジヨン』著者の最新長編小説。 超格差社会「タウン」最下層に位置する人々が住む「サハマンション」とは? 30年前の「蝶々暴動」とは? ディストピアの底辺で助け合い、ユートピアを模索することは可能か? 著者プロフィール チョ・ナムジュ (チョ ナムジュ) (著) 1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』(民音社)で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』(タサンチェッパン)、2019年『サハマンション』(民音社)、2020年『ミカンの味』(文学トンネ)、2021年、民音社から新作短編集を刊行。 日本語版→『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、2018年筑摩書房)、『彼女の名前は』(小山内園子、すんみ訳、2020年筑摩書房)、『ミカンの味』(矢島暁子訳、2021年朝日新聞出版)刊行。新作短編集は小山内園子、すんみ訳で2022年筑摩書房刊行予定。 斎藤 真理子 (サイトウ マリコ) (訳) 翻訳家。『カステラ』(パク・ミンギュ、共訳、クレイン)で第一回日本翻訳大賞を受賞。 『ヒョンナムオッパへ』(チョ・ナムジュほか、白水社)で第十八回韓国文学翻訳賞文化体育観光部長官賞受賞。訳書に、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、パク・ミンギュ『ピンポン』(白水社)、『ダブル サイドA』『ダブル サイドB』(筑摩書房)、ファン・ジョンウン『ディディの傘』(亜紀書房)など多数。
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私たちが記したもの チョ・ナムジュ
¥1,760
原書:'우리가 쓴 것' 조남주 出版社:筑摩書房 ページ数:272 サイズ:四六判 発売日:2023.3.1 ISBN:9784480832191 大ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者が、女性たちの今を描く。10代の初恋、子育ての悩み、80歳前後の姉妹の老境まで、全世代を応援する短編集。 著者プロフィール チョ・ナムジュ (チョ ナムジュ) (著) チョ・ナムジュ:1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』、2019年『サハマンション』、2020年『ミカンの味』、2021年『私たちが記したもの』、『ソヨンドン物語』刊行。邦訳 『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、ちくま文庫)、『彼女の名前は』(小山内園子、すんみ訳)、『サハマンション』(斎藤真理子訳)いずれも筑摩書房刊。『ミカンの味』(矢島暁子訳、朝日新聞出版)。 小山内 園子 (オサナイ ソノコ) (訳) 小山内園子(おさない・そのこ):東北大学教育学部卒業。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学などで韓国語を学ぶ。 訳書に、『四隣人の食卓』(ク・ビョンモ、書肆侃侃房)、『女の答えはピッチにある――女子サッカーが私に教えてくれたこと』(キム・ホンビ、白水社)、『ペイント』(イ・ヒヨン、イースト・プレス)、『別の人』(カン・ファギル、エトセトラブックス)、『大丈夫な人』(カン・ファギル、白水社)、すんみとの共訳書に、『彼女の名前は』(チョ・ナムジュ、筑摩書房)、などがある。 すんみ (スンミ) (訳) すんみ:早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。訳書に、『あまりにも真昼の恋愛』(キム・グミ、晶文社)、『屋上で会いましょう』『地球でハナだけ』(チョン・セラン、亜紀書房)、『女の子だから、男の子だからをなくす本』(ユン・ウンジュ他、エトセトラブックス)、『5番レーン』(ウン・ソホル他、鈴木出版)、小山内園子との共訳書に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(イ・ミンギョン、タバブックス)などがある。
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君という生活 キム・ヘジン
¥1,870
ふたりの間には埋められない隔たりと格差 『娘について』など、疎外された人々の視点から韓国社会を書く、キム・ヘジンの短編集です。 原書:'너라는 생활' 김혜진 出版社:筑摩書房 ページ数:224 サイズ:四六判 発売日:2022.7.22 ISBN:9784480832184 親密な関係なのに心がすれ違う「君」と「私」の変奏曲。疎外された人々の視点から韓国社会を描いてきた著者の、胸に迫る傑作短編集。寂寥感と抒情が溢れる。 著者プロフィール キム・ヘジン (キム ヘジン) (著) キム・ヘジン 1983年生まれ。2012年東亜日報新春文芸当選作「チキン・ラン」で文壇入りし、2013年長編小説『中央駅』で第5回中央長編文学賞を、2018年長編小説『娘について』で第36回シン・ドンヨプ文学賞を受賞した。その他の作品に、短編小説『オビー』、長編小説『九番の仕事』、中編小説『火と私の自叙伝』などがある。 古川 綾子 (フルカワ アヤコ) (訳) 古川綾子 第10回韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。神田外語大学講師。 訳書に『そっと 静かに』(ハン・ガン、クオン)、『走れ、オヤジ殿』(キム・エラン、晶文社)、『外は夏』(キム・エラン、亜紀書房)、『わたしに無害なひと』(チェ・ウニョン、亜紀書房)などがある。
